反駁の練習:問題10
問題:以下の主張の問題点を指摘してください。
以下の新聞記事が示すように、子どもたちが「キレる」行動を取る原因は、バランスの悪い食事が引き起こす脳の栄養失調である。
したがって、食生活指導を充実させれば、子どもたちの「キレる」行動は減るはずである。
■食事乱れて「キレる」?脳の栄養失調が深刻
子供たちの乱れた食事が「キレる」行動と関係するのではないか?
と文部省は先週、食生活指導を充実させるよう都道府県教育委員会に対し通知した。
広島県・福山市立女子短大の鈴木雅子教授も「欠食や、栄養バランスの悪い貧しい食生活が、子どもたちをいらつかせ、生きる基盤を揺るがしている」と警告する。
その根拠となる研究報告はこうだ。
福山、尾道両市内の中学生の男女計1169人に対しアンケート調査を行った。
「毎朝、朝食を食べますか」「1週間に3日以上、大根、ごぼうなどの根菜類を食べていますか」、「ラーメン・カップめんはよく食べますか」など食生活について13問を質問。
一方、健康状態も「いらいらすることが多いですか」、「腹が立つことが多いですか」などと10問に答えてもらい、両者の相関関係を比較した。
食生活を良い方からA―Eの5グループに分けた結果、食生活が最も悪いEグループの女子全員が「腹が立つ」と答えた。
「すぐカッとなる」のは、食事のバランスが良いAグループの女子は1割に過ぎないが、Eグループでは3人に2人の割合でいた。
友達らを「いじめている」人は、Eグループの男子で4割もいるのに対し、Aグループでは1人もいなかった。
「脳の重さは全体重の2%程度だが、全エネルギーの20%も消費する大食漢。
脳活動に必要不可欠なミネラル、ビタミン、たんぱく質が不足した食事をとっているD、Eグループは、脳における栄養失調を起こしている」と鈴木教授。
食事改善のポイントとして、
〈1〉旬の野菜や海藻を多く使い、食材の種類を増やす
〈2〉インスタント食品はできるだけ使わず、使う時は材料、添加物のチェックする
〈3〉でんぷん、たんぱく質、脂質の摂取を6・3・2の割合にする――を挙げる。
解答はこちらです。