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ジャッジ応用事例集


ここでは、事例をもとにジャッジの仕方について述べます。
■定側が立論で述べたメリットに対して、その後、肯定側も否定側も全く触れなかった場合、どうジャッジする?
肯定側が立論で述べたメリットがしっかりした根拠を伴っているのであれば、一般にはそのまま残って成立したと判断します。
しかし、捨てられた議論として、無視される場合もあるようです。
肯定側の立論がしっかりした根拠を伴っていない場合は、立証責任が果たされていないとし、メリットは述べられなかったものと判断します。
■肯定側が立論で述べたメリットに対して、否定側が第一立論ではアタックをしたが、その後、肯定側も否定側も全く触れなかった場合、どうジャッジする?
否定側の第一立論でのアタックが、しっかりした根拠に基づくものならば、否定側の主張が生きて、メリットは不成立となります。
否定側の第一立論でのアタックが、根拠を伴っていない場合は、アタックはなかったものとし、メリットは成立します。
■肯定側が立論で述べたメリットに関する応酬が、否定側第一反駁まで続いたが、それ以降は議論がなかった場合、どうジャッジする?
否定側の第一反駁までのアタックが、しっかりした根拠に基づくものならば、否定側の主張が生きて、メリットは不成立となります。
否定側の第一反駁までのアタックが、根拠を伴っていない場合は、アタックはなかったものとし、メリットは成立します。
■肯定側が立論で述べたメリットに関する応酬が、肯定側第一反駁まで続いたが、それ以降は議論がなかった場合、どうジャッジする?
肯定側の第一反駁での再反論が、しっかりした根拠に基づくものならば、肯定側の主張が生きて、メリットは成立します。
■肯定側が立論で述べたメリットに関する応酬が、否定側第二反駁まで続いたが、肯定側第二反駁では述べられなかった場合、どうジャッジする?
否定側の第一立論でのアタックが、しっかりした根拠に基づくものならば、否定側の主張が生きて、メリットは不成立となります。
■第一反駁で反論しなかった議論に対して、第二反駁で反論した場合、どうジャッジする?
反論はできる限り早い次期になわれなければなりません。
遅すぎた反論として無視されるため、相手側の主張が成立します。
■第一反駁で新たな証拠を出すことは認められるか?
議論の流れ上、必要な場合は認められます。
つまり、その証拠が立論では提出する必要がなく、相手の議論に反駁するために、その証拠を反駁で提出する必要が生じる場合を意味します。
■第二反駁で新たな証拠を出すことは認められるか?
議論の流れ上、必要な場合は認められます。
つまり、その証拠が立論や第一反駁では提出する必要がなく、相手の議論に反駁するために、その証拠を第二反駁で提出する必要が生じる場合を意味します。
ただし、このような場合はほとんどないので、第二反駁での証拠提出は、通常はありません。
■第一反駁で新たな議論を出すことは認められるか?
論点はすべて、立論の中で述べられていなければなりません。
たとえ第一反駁であっても、新しい議論を出すことは許されません。
新しい議論がでてきた場合、ジャッジはその議論を無視します。
■第二反駁で新たな議論を出すことは認められるか?
論点はすべて、立論の中で述べられていなければなりません。
第二反駁で新しい議論を出すことは許されません。
新しい議論がでてきた場合、ジャッジはその議論を無視します。
■立論が早口で部分部分聞き取れなかった場合、どうジャッジする?
聞き取れた部分だけをもって判断します。
たとえば、立論の発生過程の一部が聞き取れなかった場合、ジャッジは、そのメリット(デメリット)を、反駁のあるなしにかかわらず不成立とすることもできます。
■提出された証拠の権威性が低いものであることが明らかにされた場合、どうジャッジする?
その証拠の信憑性が劣ると判断されます。
ここで気をつけなければならないのは、主張までも否定されたわけではないということです。
主張を裏づけるデータが弱くなっただけで、主張そのものはまだ生きていると判断します。
■『証拠がない』という反論をどうジャッジする?
主張を裏づけるデータがないので、主張は弱まります。
しかし、主張そのものは否定されていないので、不十分ながら残っているものと判断します。
残っている程度は、主張が成立するためにどれだけデータが重要かによります。
■『根拠がない』という反論をどうジャッジする?
ただ単に『相手の主張には根拠がない』というだけでは、ジャッジはその主張を無視します。
どことどこの間の根拠がないのかを指摘しなければなりません。