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立論の構成と各パートのポイント


立論とは
立論とは主張の論証です。
つまり、プランを採用するとメリット/デメリットが発生することを、理由付けとデータで証明するのです。
論証できなければ、メリット/デメリットの発生が認められません。
したがって、その後の議論に関わらず、その時点でほぼ負けが決まります。
全国大会ですら、論証できていないと感じる立論を見ることがありますので、注意してください。
立論の構成
政策論題における典型的な立論は、次のような構成を取ります。
1.論題で使用されている言葉の定義
2.プラン
3.プランから発生するメリット/デメリット
4.メリット/デメリットの発生過程
5.メリット/デメリットの重要性/深刻性
これ以外の構成も可能ですが、上記の構成を強くお薦めします。
ほとんどのジャッジは、上記の構成を期待しています。
したがって、別の構成ですと、ジャッジが戸惑います。理解されない危険が生じます。
言葉の定義
論題について議論するにあたり、論題で使われている言葉を定義します。
言葉を定義することなしに議論をはじめると、互いに自己に有利なように言葉を定義して議論を進めようとします。
その結果かみ合わない議論となりがちです。
言葉の定義は肯定側によってなされ、不合理な定義でない限り、否定側はその定義を受け入れます。

具体例

「日本とは日本政府を指します。積極的安楽死とは...」(肯定側)
「定義は肯定側に従います。」(否定側)
プラン
肯定側は、論題の政策がメリットを生じるよう、プランを提示します。プランは複数になるのが普通なので、箇条書き的に述べるのが理解しやすいです。
議論の展開を予想して、肯定側が有利になるようなプランを立てるようにします。
ただし、論題と無関係なプランは立てられません。
一方、否定側には通常、プランはありません。現状の維持を主張します。
しかし、肯定側のプランにまさるカウンタープランを提案できることもあります。
カウンタープランは、オリジナルプランとは明らかに異なり、より大きなメリットがえられ、オリジナルプランと同時に実行できないものでなければなりません。

具体例

「プランは3点あります。1点目。法整備、十分な周知活動の上、2005年4月から...」(肯定側)
「プランはありません。現状維持です。」(否定側)
メリット/デメリット
肯定側はメリットを、否定側はデメリットを端的な言葉で表現します。
短い言葉で表現した方が理解しやすく、後の議論で参照するにも便利です。
大事なポイントは、その言葉を聞いただけで、確かにメリット/デメリットだと誰もが感じる言葉を使うことです。
「それのどこがメリット?」と思われてしまうような言い回しの場合、発生過程の途中をメリットとして述べていることが多いです。

具体例

悪い例 「ダイオキシンの増加」
良い例 「人体への悪影響」
発生過程
プランからメリット/デメリットが発生する過程を、ステップ・バイ・ステップで説明します。
論証するところなので、立論で最も重要な箇所です。ジャッジに正しく伝えられるよう細心の注意が必要です。
具体的な書き方については、「発生過程の説明のポイント」で説明します。
重要性/深刻性
立論の最後に、メリット/デメリットが、なぜ(質)、どれだけ(量)重要/深刻かを述べます。
質と量の両方を説明すると、効果的です。 まず、メリット/デメリットがなぜ重要/深刻を述べます。
たとえば、「介護者の肉体的負担の軽減」のようなメリットでは、その負担が具体的にわかりません。
ジャッジにより異なる理解をされてしまいます。そこで、肉体的負担を具体的に説明します。
ただし、誰もが重要/深刻と考えられるメリット/デメリットならごく簡単に説明するだけで十分です。
たとえば、「人命救済」というメリットなら、なぜ重要かを説明する必要はありません。
人命がいかに大切かを蕩々と説明しないようにしましょう。
次に、メリット/デメリットがどれだけ重要/深刻を述べます。
つまり、何人が「介護者の肉体的負担の軽減」や「人命救済」というメリットを享受できるかです。
この量の議論がないと、肯定側と否定側の価値の比較ができません。